校長コラム第三回:動物愛護と実践力を育む教育の柱「モデル犬制度」

創立当初から続く独自の教育
ヤマザキ動物専門学校の教育を特徴づける取り組みの一つに、「モデル犬制度」があります。本制度は、一般家庭で適正に飼養され、愛情深く育てられている犬を飼い主からお預かりし、動物看護、グルーミング、トレーニングなどの実習を行う教育システムです。本校では実習専用の犬を飼育することなく、「犬は愛情あふれる家庭で暮らすことが本来の姿である」という動物愛護の理念のもと、創立以来この制度を継続しています。
多種多様な犬との実践的な学び
モデル犬制度の大きな特色は、学生が多様な犬と接し、それぞれの個性や行動を理解しながら実践的な学びを深められる点にあります。同じ犬種であっても、性格や行動は一頭ごとに異なります。人との関わりを好む犬もいれば、人に対して慎重な様子を示す犬もいます。学生は犬の行動や反応を観察し、その犬に適した接し方を考えながら実習を行います。また、伴侶動物本来の生活や健康管理、飼い主との関わりについて理解を深めることで、適正飼養の重要性を実践的に学んでいます。こうした経験は、動物医療の現場で求められる観察力や判断力、対応力を養うことにつながります。
人間性と社会性を育む場所
モデル犬制度は、学生が生命と向き合う姿勢を育む教育の場でもあります。人と動物が共生する社会を支える専門職には、生命への深い敬意と豊かな人間性が不可欠です。モデル犬との日々の交流は、その基盤となる人間性を育む貴重な教育機会となっています。また、本制度は専門技術の習得だけでなく、コミュニケーション能力や社会性を育む教育の場としても重要な役割を担っています。学生は実習後に犬の様子を手紙で飼い主へ報告し、かけがえのない家族である犬を預かる責任と、飼い主との信頼関係の大切さを学びます。この経験は、将来、動物病院やペット関連施設で必要とされる接遇力や倫理観の習得、さらには社会人として求められる礼節を身に付けることにもつながっています。
動物と人に寄り添える人材へ
このように、ヤマザキ動物専門学校のモデル犬制度は、動物愛護と動物福祉の理念を教育の中心に据えた実践的な取り組みです。学生は、適正に飼養された多くの犬との出会いを通して専門性を高めるとともに、経験を積み重ねることで、動物と人の双方に寄り添うことのできる人材へと成長していきます。本制度は、本校の建学の精神を体現する教育の柱として、未来の愛玩動物看護師の育成に大きく寄与しています。

ヤマザキ動物専門学校
井上 留美 校長
修士(動物看護学)・愛玩動物看護師・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 准教授
(公財)日本動物愛護協会 理事
山形県出身。本校卒業後、動物病院に10 年間勤務。カリフォルニア大学デイビス校にて動物リハビリテーションの特別プログラムを終了し日本動物リハビリテーション学会の創設に携わる。2023 年ヤマザキ動物看護大学大学院一期生として修士号を取得。現在、母校の校長として後輩の育成に努めている。
井上 留美 校長
修士(動物看護学)・愛玩動物看護師・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 准教授
(公財)日本動物愛護協会 理事
山形県出身。本校卒業後、動物病院に10 年間勤務。カリフォルニア大学デイビス校にて動物リハビリテーションの特別プログラムを終了し日本動物リハビリテーション学会の創設に携わる。2023 年ヤマザキ動物看護大学大学院一期生として修士号を取得。現在、母校の校長として後輩の育成に努めている。
